第１話。
無数の光の玉を追い掛けるように、近未来的なデザインの電車がそれとは対照的に荒れ果てた大地を走っている。開けた空はぼんやりとした虹色。
光は空間に突如できた暗い渦に吸い込まれ、ワープする。行き着いた先は、現代の日本と思われる街。そんなスタート。当然のように謎が多いけれど、何が謎なのかがきっちり演出されているから、期待感が煽られる。
そこからは主役である佐藤健さん演じるキャラクターにスポットが当たる。名前は野上良太郎（のがみりょうたろう）。軟弱気味でぼんやりしている人物なのかな、と思わせる描写。いきなり不良４人組に絡まれ財布を取られるシーンがあり、その財布に「野上良太郎」というネームタグが付いていて、その理由について「カツアゲされて捨てられたとき自分の元に届く可能性が高くなるから」という説明をし、不良に笑われる良太郎くん。どうも、不運な目に合いやすい不幸体質で、その境遇に慣れるくらいになっているらしい。
そんな良太郎くんが金属素材と思われる不思議な定期入れのようなもの拾い、落し物だから交番に届けようとする。不幸体質だけど良い人。きっと困っている人がいたら助けずにはいられない性質。それはそうと、どうやら不思議な定期入れは、近未来的なデザインの謎電車と関連するキーアイテムの模様。そしてこれまた謎の女がどこからともなく件の謎電車に乗って現れ「私の定期入れを返して」みたいなことを言う。しかし良太郎くんは「落し物だから交番に届ける」と拒む。そうだよね。謎すぎて信用できないよね。
話が転換して、良太郎君に絡んでいた不良の１人が、何やらキーホルダーを探している。大事なものだったけど、落としてしまったらしい。困っている不良。そこに、最初のシーンで現代日本にやってきた無数の光の玉のうちの１つがやってきて、不良の体にぶつかる。突如不良の体から灰色っぽい砂がさらさらと湧き出し始める。砂場に埋められてた人みたいになってる。
突如、その砂が、怪人の形になる。怪人は不良に言う。「何でも１つだけ望みを叶えてやろう。代償はただひとつ......」。そこでまた場面が転換した為、何が代償なのかは不明。不良が何を願ったのかも不明。
一方、不思議な定期入れを拾った良太郎くんにも、ひとつの光の玉がぶつかる。それでも平然としている良太郎くんだったが、またもや最初の不良４人組に絡まれる。砂怪人に話しかけられてた奴は何やら様子がおかしいけれど、他の３人は相変わらず普通の不良。「テツオのキーホルダーを知らないか？」と尋ねてくる不良。どうやら様子のおかしい奴はテツオという名前らしい。
不良から逃走を試みるも結局追いつかれ、一方的に蹴られ殴られ酷い目に合いながら、良太郎くんは「ここで死ぬのかな」と弱気になり、意識を失う。その瞬間、下ろしていたミディアムな髪の毛が、オールバック風に逆立ち尖る。目つきや表情、人格が変わった様子で、「俺、参上！」と言葉を発する良太郎くん。「最初からクライマックスだぜ」などと言いながら一転して不良達をボコり始め、地面を砕くほどの力で鉄パイプを叩きつけようとする。殺す気だ。
そのとき、元々の良太郎くんの意識（精神？）が戻り、不良をボコっていた人格を抑え込む。定期入れを探していた謎の女がその様子を端っこのほうで見ており、「嘘でしょ。あの子もしかして......」と驚く。そして、良太郎くんの前に、先程不良の前に現れた砂怪人とは別の砂怪人が現れ、「何でも１つだけ望みを.......」の台詞を言う。
それを遮るように近寄ってくる謎の女。そして説明。良太郎くんには砂怪人が取りついており、しかし良太郎くんは「特異点」という特別な存在だった為、取りついた何かを抑え込むことができているらしい。良太郎くんが特異点だということを聞かされた砂怪人は「まじかよ。最悪だぜ」と頭を抱える。やっちまったらしい。「トクイテン」は多分「特異点」のはず。もしかしたら「得意店」かも。
その場面にさらに加わってくる奴が。テツオだ。そしてテツオの体から現れた砂怪人が紫色のコウモリ伯爵みたいな姿に。高貴な色。でも気色悪い。良太郎くん達を襲う怪人。ピンチ。そのとき、謎の女が良太郎くんに「変身して。あなたは電王になれる」みたいなことを言う。
何が何だか分からない状態のまま良太郎くんが弱々しく「変身」と言うと、彼の腰回りに妙なベルトが突如出現する。そして、ICカードを改札に「ピッ」ってやる感じで、ベルトに定期入れをかざすと、黒いバッタっぽい格好に変身した。触角が無い。シンプルな感じのライダー。
それでも相変わらずピンチなのだけれど、そこで良太郎くんの人格が、不良をボコっていた砂怪人の人格にチェンジする。そしてベルトにあった赤いボタンを押して、更なる変身を遂げる。剣を使うスタイルのライダー。ボタンは４つあったから、別の武器のスタイルにも今後なるだろうことが予想される。
「使命を忘れたか」と言うテツオの怪人。
「こっちのほうが面白そうだ」と答える良太郎の怪人。
本格的なバトルが始まるも、ライダーのほうが圧倒的に強い。すぐに敵を追い込むと、必殺技を繰り出す。剣先が飛んでいき、怪人を真っ二つに。石動雷十太の秘剣・飛びイズナみたい。
無事に怪人を追い払ったライダー。意識が戻るが意味不明状態の良太郎くんに、謎の女が言う。「未来からの侵略者と戦うのよ」と。
そんな第１話。期待感たっぷり。何より、佐藤健さん演じる良太郎くんの良い人っぽさがひしひしと伝わってきて、応援したくなる。ええ子や。頑張れリョウちゃん。
色々と長くなってしまったけど、最初は設定の説明とかが入るから仕方がない。徐々に説明なしでも共有できる文脈ができあがるはず。
謎の列車、謎の女は何なのか。
特異点とはどういう存在なのか。
砂怪人の言う「望みを叶える代償」とは！？
次回を待て！
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