2010年6月15日火曜日

第1388回

第 1388 回のお題 (出題:風の迷路)
「戦争は終わりました」を遠回しに伝えてください

[10位]ジャスティス智彦

戦火の中、激痛が意識を蝕み始めていた。
もう駄目か……と思ったその時、本部から電報が。

『迫り死ヲ、祖は謳わん』

祖国は弱音を吐かない、ということだろうか。
そうだ。俺もこんなところで死んではいけない。
諦めるな。まだ動ける。まだ戦える。

意識は明瞭になり、活力が湧いてきた。
そしてしばらくして、二通目の電報が。

『先刻の電報は暗号なり。語順ヲ入れ替えるべし』

語順を? ああ、アナグラムだったのか。
一通目を読み返す。

『セマリシヲソハウタワン』 → 『センソウハヲワリマシタ』


俺「当時、『謳わん』は『謳わない』という意味だと思っていて」
タモリ「なるほどねぇ。『ん』が付いてるから」
俺「そうなんです。後になって『謳おうとしている』だと知りました」
タモリ「『祖国が負ける』『戦争が終わる』、二重の意味だったんだ」
俺「二通目がなかったら、戦い続けるところでしたよ」
タモリ「ふぇ~。でも、最初に勘違いしていなかったら――」
俺「はい、失意であのまま死んでいたかもしれません」
タモリ「そりゃすごい話ですねぇ」
俺「なので、100分の1アンケートは、『元・兵士の人』でお願いします」
タモリ「分っかりましたぁ。では『元・兵士の人』、スイッチオン!!」

トゥルルンツッタータッタツッタータッタドゥーン


  | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|
  |  テレンス・リー  |
  |________|
        ||
        ||

45.35 pts [67.10](94.55%) Rate:31.64Up!!


10位だった。嬉しい。

投稿締切時は「なるようになれ」という感じだった。
オチをどうするか悩んでいて、
結局最後まで"納得解"を思いつかなかったから。

採点結果を見ると、概ね2.0~7.0点ぐらいに分布していた。
合計が約45点なので、わりと綺麗に分かれたと言える。
色の付いた採点(7.0点以上?)がなかったけれど、
贅沢を言えるネタではない。
むしろ、6点台を付けてくれた人(3名)に感謝したい。
��正確には「結果として6点台になるような点を付けてくれた人」かな)

ネタの内容に触れよう。

また長文か? すっきり短いキレのある短文を書けないのか?
そんなことを自分自身に問いかけたくなる。
もともとは長文を書くつもりはなかったのだが、いつの間にか、ね。

最初は「遠回し」→「アナグラム」という発想だった。
しかしながら、アナグラムを書いたところでボケの要素にはなりにくい。
響きが面白いアナグラムを考えることもできなかった。

そこで、回想のテンプレートを使った。
まずエピソードを置いて、「……ということがあった」という流れに。

さらに「テレフォンショッキング」のテンプレートを使用。
これは主として回想を補助し、オチに繋げる為の方策だ。

ところが、オチで悩んだ。
「1/100アンケート」か「お友達紹介」か。
あるいは「観覧客との悶着」を持ち出すか。

いずれにせよ「テレンス・リー」は出すつもりだった。
「戦争」と聞いて、頭から離れなかった。
知名度の低さが心配だったけれど、響きでなんとかなると考えた。

そんなこんなで、あのネタになった。
「別に面白くはないな」と自分でも思う。
しかしながら、「妙な雰囲気」は多少あるのではないか。

「なぜ思い付いた」といったコメントをいただいていた。
それだけで、今回は満足できる。お米が美味しい。


以下、他の人のネタに僅かばかりコメントさせていただく。

・[1位]るららあ氏のネタ:読み易い書き方に感服しました
・[7位]ペッパー氏のネタ:『スカイ・クロラ』を思い出しました

2つだけ。
気に留まるネタが少ないのは、解釈力が不足しているからだろう。
人のネタを見る力を、今後は磨いていきたい。

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