2014年1月20日月曜日

仮面ライダー電王・視聴記録04話 『鬼は外!僕はマジ』

第4話。

前話は良太郎くんがヤクザに囲まれた状態で終了。敵に囲まれて次週へ引っ張るという流れは一般的だと思うけれど、子供向けの特撮番組で主人公がヤクザに囲まれるのは面白い。悪いことをするとこうなるよ、という教育効果。悪いことをしたのは良太郎くんではなくヤマゴシとモモタロスだけど。


運良く警察が通りかかったことでヤクザから逃げた良太郎とヤマゴシ。良太郎くんはモモタロスとヤマゴシがやったことを知り、「一緒に自首しましょう。どんな相手であっても、泥棒は泥棒」とヤマゴシ諭すも、「冗談じゃない。俺には金が必要なんだ」と聞く耳を持たない。

イマジンに取り憑かれると、負の心が強まるのかもしれない。その頃ヤマゴシのイマジンは金を集める為にどこかの会社の経理部や現金輸送車を襲撃している。普通に強盗。

ヤマゴシを止めようとする良太郎くんにモモタロスは「戦いになったら俺を呼べよ」と言うが、「やだ。一緒に戦いたくない」と拒絶される。良太郎くんはモモタロスのしでかしたこと(犯罪幇助)に怒っている。「お金を要求したり取り上げたりするのは好きじゃない。大切なものとかお金とか失くすのはつらいよ」という台詞が印象的だった。運悪く被害にあってばかりの良太郎くんだからこそ、そうした辛さは身に沁みてるのだろう。

大量の金を集めたことでヤマゴシのイマジンは契約を果たし、ヤマゴシの過去へ飛ぶ。迷子の女の子を警察まで送り届けてオーディションをすっぽかすヤマゴシ。バンド解散。そして、自費でCDを出すも全然売れなくて在庫の山。借金をしたのはCDをつくる為であり、お金が欲しいのは、金さえあればデビューできるという理由のようだ。金の力でデビューしても嬉しくないし楽しくないと思うぞ、ヤマゴシ。

さて、良太郎くんも過去へ飛び、ヤマゴシのイマジンと戦いになるが、頑なにモモタロスを呼ばない為、ノーマルライダーの状態。案の定まったく歯が立たない。しばらくボコボコにされ続ける。でも絶対に呼ぼうとしない。気持ちが強い。その様子を見て反省したモモタロスは「もう二度と悪事はしない。俺が悪かった」と言う。ぼろぼろになりながら「ごめんなさいは?」と要求する良太郎。「ごめんなさーい」と叫ぶモモタロス。そして、良太郎の肉体へ。ソードフォームへ変身。圧倒的な力でイマジンを倒す。

その後、ヤマゴシがオーディションに間に合うように過去への干渉がなされるが、結局ヤマゴシは落ち、現代でも路上ミュージシャンのまま。でも、もう一度自分の力で夢を追う決意をした顔をしている。そして、過去改編前と比べて過去改編後では、路上で唄うときに寄付集めで置いておくギターケースの中身が増えている。それだけ人の心を打つような歌い方に変わった、という意味なのだろう。ちょっとした演出に気がきいている。

最後に、良太郎が行っている細やかな過去改編に対し、デンライナーのオーナーは「この程度、変える意味はない」と厳しいことを言う。「間違ってるのかな」と考える良太郎。「それでも変えたい時間はあると思う」とハナ。それによって心が洗われる人々が確かにいることを考えれば、良いことをしているように思えるけれど、もしかしたらどこかで悪い影響も生じているのかもしれない。そのあたりは今後のストーリーに出てくるのだろうか。

この3~4話は早くも神回だった。特にイマジンとの戦いのときの流れには心を打たれた。モモタロスを呼ぼうとしない良太郎くんが敵のイマジンから激しい暴力を浴びせられる時間がすごく長くて、「頼むからもう呼んでくれ」と思ってしまった。だからこそモモタロスも改心したし謝った。あそこの時間が短いと軽くなる。きっちり長く描写することによって、その後の解放感に繋がっていた。

そして、4話まで見終わったことで、ある程度「仮面ライダー電王」という番組の作り方の構造が見て取れた。基本的に2話完結で、個別のストーリーに対応しながら、それによって全体のストーリーを進むようになっている。

1~2話はテツオの話が個別ストーリーで、全体としては「良太郎くんの仮面ライダー電王としての活動開始」を扱う。3~4話はヤマゴシの話が個別ストーリーで、全体としては「良太郎くんとモモタロスが打ち解ける様子」を扱う。

秀逸なのは、個別ストーリーと全体ストーリーのリンクのさせ方。例えばヤマゴシに関する物語で提示される「悪いことをして満足感を得るのは間違っている」というテーマが、そのまま良太郎くんがモモタロスへ対して伝えたいことにもなっている。

まったりとしたコメディタッチなシーンが多いけれど、締めるところはきっちり真面目に締めており、笑えるし感動もできる。あまりの出来の良さに、今後もこのペースを保てるのだろうかと不安になるくらい。とにかく今のところ、見続けない理由が一切ない。

次回を待て!

0 件のコメント:

コメントを投稿